15年ぶりの機材更新

写真を撮ったり、動画を撮って編集したり、最近はそんなことを仕事にさせてもらったりしています。
うまくいった手ごたえや、逃げ場のない閉塞感、取引先からの程よいプレッシャーなどなど、単語の羅列だけではとても追いきれない日々です。
ちょっと前までは、「だいたい暇」が口癖だったのですが、最近は時間に追われることも多くなりました。本当にお世話になる皆さまには感謝しかありません。

私が「撮影」という概念に出会ったのは、もうそれはとてつもなく昔の幼少期に遡れるかと思います。
撮影に対して仕事で向き合えていた懐かしく大事な記憶と、その後、撮影は趣味になったふた昔前と、今度は撮る側で仕事にさせてもらった最近の記憶。
撮ったり撮られたり、言葉にしてしまえばただそれだけの簡単な動作なのですが。
歳を重ねた今も、こうして撮って伝えることをしているのかと思うと、勝手に感慨深くなってしまいます。

いま使っているカメラは、もう15年前に購入したデジタル一眼レフカメラでした。
あのとき、ただの趣味で買ったカメラが、時を経て仕事道具になる日が来るとは思わなかったものです。
自分の撮りたいものが撮れれば良かった趣味のカメラは、誰かの魅力を誰かに届ける仕事道具に、いつの間にか変わっていってくれました。
この変遷を思い返すだけで、いろいろな思いが巡っていきます。
6D2と、初のL単30mm

新しい機材は、キヤノンの6D Mark IIです。
このカメラは、8年前の2017年に発売されたカメラなので、機材を更新したと胸を張って言えるものではないのですが。
昨今のミラーレス一眼は、価格の高騰も去ることながら、どうにもバッテリーの持ちが心配であるというのが正直なところです。
5D4とも天秤にかけたところですが、「軽さ」というメリットは、30代後半にもなった自分自身にはとても魅力的に映えました。

また、広角側での明るさを確保するために、初のLレンズ単焦点を導入。
音楽スタジオや、塗装現場でのポートフォリオ撮影時に、いつでも力不足だった広角側。
長いこと念願であった広角側の単焦点、EF35mm F1.4L IIがやってきました。
開放からキレのある描写は、各現場で心強い相棒となってくれそうです。
機材の更新を、あと何回やれるだろうか
15年ぶりの機材更新に胸躍らせつつも、機材更新サイクルが15年間隔だとすると、あと人生で何回くらい機材の更新が出来るだろうかと、帰りの電車の中で思ってしまいました。
別に15年で縛る必要もないし、悲観的になる理由なんて何もないのですが、どうしてもそんなことを考えてしまいます。
15年後に思い出す光景や風景は、まさに今この瞬間なんだろうなと、そんなことを今から思います。

カメラストラップはEOS55時代から愛用しているものを、引き続き使っています。
EOS55→Kiss Digital N→40D→5D2→6D2と、5台目の組み合わせとなりました。
このストラップは、もう会えないお世話になった方から頂いたものなので、色々な思いの詰まったストラップです。ちぎれるまで使います、いや、ちぎれても使いたいくらいの代物です。このストラップが駄目になってカメラが落下しても全然いい。最後まで、このストラップを使いきれたことの方が、よっぽど誇らしいことだと、それほどに思いが詰まっています。

ここまで活躍してくれた5D Mark IIはサブ機として、引き続き頑張ってもらおうと思っています。
2010年8月からの約14年半、いろいろ巡って、いろいろ撮った思い出の一台です。

5D2の一枚目は、当時の勤務先セブンイレブンのバックルーム。
15年も経つと、もうもはや別の誰かの人生の1ページのようです。でも、たしかにこうしていたことは事実だと、写真を見ると説得力があるものだと感じてしまいます。

直近のカットだと、2024年11月に訪れた四国の浜辺が記憶に新しいところです。
慣れ親しんだカメラだったので、やはり寂しいものですが、それでも前に進む勇気を持ちたいと思います。
新しい機材が出会わせてくれる風景に、力の続く限り付いていきましょう。
15年ぶりに機材を更新したという、最近のお話でした。